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昭和55年、秀峰は中学3年生、友人に「うまいものがあるから」と連れて行かれたのは、八王子駅北口の通称放射線通りにある、中華「小松亭」であった。そこの名物が「ジャージャー麺」だったのだ。 「肉味噌そば」とも呼んでいた。タマネギと挽肉のドロッとしたアンは、辛さの中にも甘みとうま味が舌に残る。後半にス−プで薄まったアンもまた旨い。当時は、食後にハーフーと息をしてしまうほど辛かった。最近はそれほど辛くはない。 今でこそ、中国料理のメニューにも慣れ親しんでいる秀峰であるが、当時はその「ジャージャー麺」が、とても衝撃的であった。「こんなに旨いものがあったのか!」と、今に至るまで、小松亭には足を運んでいる。 小松亭のものは、オーソドックスなジャージャー麺に比べ、かなり辛い。また、スープも使う点が違っている。麺とミートソース状の盛りつけではなく、どんぶりで供するあんかけ麺といった感じだ。 秀峰は、なんとかこのジャージャー麺を作れないものかと、見よう見まねで試行錯誤を続けてきた。そして、18年目にして、やっと完成したのが秀峰流「小松亭風ジャージャー麺」なのだ。 材料も調理も単純なので、ぜひ試してみて頂きたい。
秀峰流「小松亭風ジャージャー麺」の作り方材料(1人前)
作り方
コツは、肉と玉ねぎを炒めすぎないこと。「中華あじ」でなく必ずガラスープを使うこと。沢山入れる甜面醤が強烈なので、その他の味付けは、それほど気にしなくてよい。 ちなみに、知人の中国人女性の謝さんに教わったジャージャー麺では、豆板醤やガラスープも入れず、もっぱら甜面醤の味付けだった。だから辛くはない。 また、ニンニクのみじん切りを、茶碗に張った水に浮かべておいて、ジャージャー麺を食べる直前に、この「ニンニク水」をかけて食べるそうだ。
そして不思議なことに、謝さんは中華麺ではなく、細い平うどん麺を使うのだ。これが故郷である天津の家庭の味に近いそうだ。 |
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