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従来ならば、一部のお金持ちの趣味であったクルージングも、低価格のプレジャー・ボート(ヤマハSRV〜160万円など)の発売が相次ぎ、駐車場程度の料金の簡易マリーナ(PBS)も登場している。もはや、最近流行のRV車を購入維持するのと変わらない出費という状況だ。これなら庶民の趣味としても十分魅力的で、船舶免許の人気は上昇中なのだ。
免許の取り方3種
ボートスクールと費用筆者は、上記の方法のうち、2番目の普通の取り方を選択した。実技講習を申し込 んだのは、下記のスクールである。自宅に近いのでここに決めた。
「4級船舶おすすめコース(7万円)」〜 学科の勉強は独学で受ける。
上記のコースのうち、「4級船舶おすすめコース(7万円)」を申し込んだ。
よほど理解の悪い人以外は、学科講習は必要ないとのことなので。
どちらも実技講習1日と、教材代、受験料、手続き料など、全部込みである。 ただし「予備身体検査証明書」で病院に払う手数料(2〜3千円)は必要である。
受験体験レポート平成8年8月中旬〜下旬
ボート・スクールなどの情報収集を始める。 8月31日(土)
スクールへ、入学申し込み書類を取りに行く。 9月3日(火)
申し込み書類の中に「予備身体検査証明書」というのがあるので、近所の病院で検査を受け、記入してもらう。(写真張付) 9月7日(土)
スクールに正式に入学する(=受験申請)。 9月24日(火)
学科試験(立川)〜午前中にすべて終わる〜 9月25日(水)
学科試験の合格発表 & 実技試験日が指定される 10月6日(日)
実技講習(多摩川河口の羽田沖)〜丸一日かかる 10月11日(金)
実技試験(羽田沖) 〜 午後から約2時間 10月17日(木)
実技試験の合格発表 10月27日(日)
海技免状の交付 筆者の場合、受験の期間は約2カ月にわたった。しかし、講習や試験日の日程の組み方によっては、もう少し短い期間でも取れると思う。ただし、学科試験、実技試験とも、平日なので、最低2日は休暇が必要で、これは避けられない。
学科試験の内容4択の50問(2時間)で33問以上で合格。問題の9割は、問題集からそのまま出題されるので、教材の問題集をまじめにやっておけばOK。ただし問題集の問題数はかなり多い。 内容は、船舶の知識と法規で、船体や機関の名称と役割、燃料と速度・距離などに関する計算問題(中学程度)、天気図の見方、航海図の読み方、灯台や航路標識の意味、など広く浅くという感じ。どれも勉強していて面白かった。
実技試験の内容船体の点検、ロープの結び方、操船、口述試験などを、2〜3人一組で行う。約1時間。船の操縦技術よりも、口述試験の方がウエイトが高いので、学科の勉強を真面目にやっておくのが重要だと思う。ロープ・ワークも、真面目に練習しておいた方がよい。
受験に時間がかかってもOKスクール講習料:1年間有効身体検査の合格:1年間または6カ月間有効(視力によって違う) 学科試験の合格:2年間有効 (学科に合格したが、実技試験に不合格の場合でも、実技試験だけを再受験できる。ただし、実技試験の受験料実費は、約2万円なので、落とすと痛い。)
免許取得後の実際免許を取ったからといって、すぐにクルーザーを購入して、マリーナに保管して・・・というわけにもいかない。会員制のクルージング・クラブなどに入会すれば、クラブ所有の色々なタイプの船艇をレンタルして、本格的クルージングを楽しむこともできる。船体のメンテナンスなどの維持も不要で、台風が来ても係留中の自船の心配もない。それでも従来のマリンクラブは、入会金は100万円単位だし、他にも年間数十万円はかかる。これでは、どうしようもない。ところが、最近では、クラブ艇を小型プレジャー・ボートに限定した、低価格のマリンクラブも登場してきている。たとえば、ヤマハが運営する、全国の提携マリーナから「SRV(6人乗り)」で出船出来るマリン・クラブは、入会金1万円、月会費3千円、レンタル料金が1日1.5万円という安さだ。これなら十分手が届く範囲だ。 ちなみに筆者が世話になったボート・スクールは、真鶴でマリン・クラブも経営していて、スクールの卒業生は入会金も会費も払わずに、クルージングのみ予約して1日1人あたり1万円ポッキリで海に出ることができる。これは大きな特典だ。しかも、トローリング設備付きの艇もあって、相模湾でマグロ、カツオ、シイラなどのビッグ・フィッシングを楽しむことができる。 小型船舶の免許は「船長」の資格の免許であって、自動車のような運転免許ではない。したがって、船に一人でも「船長」が乗船していれば、舵取りなどの操船は、誰が行ってもよいことになっている。 実技の講習でも、こちらは免許を持ってないし、船に乗るのも初めてなのに、いきなり沖へ出て操船をさせられた。仮免許などの制度もないし、教習区域といった区別もなく、ごく普通の海上である。 操船は簡単で、まったく恐くないし、実に気持ちよかった。増速時には船体は後ろへ傾くし、波によってジャンプしたり、転回時には左右にかなり傾く。ちょうどジェット・コースターのように迫力満点で、これはやみつきになると思った。 実際に海に出ればわかるが、海上というのは、道路を車で走行するのにくらべてはるかに安全だ。小回りのきく小型船舶ではなおさらだ。360度どこへ行ってもよいし、歩行者もいなけりゃ踏切もない。ちょうど、360度が地平線のサバンナを車で走り回るようなものだ。
みなさんも、ぜひ免許を取って、海へ出てみて欲しい。 |
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