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1998年7月31日(金)〜8月1日(土)、恒例の夏山登山に行きました。秀峰の登山の師匠、コントン土谷と2人で、1泊2日で北八ヶ岳を歩きました。国道299号線の麦草峠に車をおいて、南に尾根を進み、夏沢峠までをピストンで縦走しました。宿泊は、日本最高所の温泉「本沢温泉」で、露天風呂に浸かりました。 八ヶ岳の北部を横切っているR299の麦草峠は、日本の国道最高地点(2120m)で、ここまで車で行けば、低地の登り歩行を避けて、すぐに尾根を歩けるだろうという魂胆だ。1日420円の駐車料がかかる。8時30分に歩行開始、すぐに白駒池に出て、ここから登りが始まる。1時間ほどで、高見石小屋に到着、ここから尾根だ。ややジメジメした登りを登り切ると、展望台という、岩のゴロゴロした広場に出た。ここで休憩していると、リスのようなネズミのような動物が現れ(たぶんヤマネ)、ピョンピョン岩を飛び回っている。我々のすぐ目の前にも来たりして、5分ほど我々の目を楽しませてくれた。展望台を出ると、やや下ったところで中山峠に出る。そこから少し脇へ入った黒百合平で昼食をとった。
中山峠からは、キレットの登りが続く。今回のピーク最高地点の天狗岳(2645m)を目指す。だんだん天気が怪しくなり、強い風が吹きだした。霧に包まれて見晴らしもきかない。東天狗岳に着いた頃には雨が降り出した。といってもすぐにやんだりまた降ったりという状況だった。 東天狗岳から、急な岩場を降りると、主脈上を根石岳や夏沢峠へ進む道と、左手へ本沢温泉へ降りる道に分かれる。1日目の宿泊地は決めていなかったが、雨に濡れて凍えた体を温めようと、本沢温泉へと向かう。 1時間ほど、500mも下るので、もったいない気もした。
本沢温泉は、日本で第2位の標高(2150m)にある温泉として有名だ。だが最近、宿より5分ほど登った河原に強引に露天風呂を設けて、今では日本一の高所の温泉となったらしい。ここは温泉宿といっても、基本的には歩いてしか来られず、ほとんど山小屋と言ってよいと思う。 この日も、宿泊者の100%が登山客だった(下駄箱が全部登山靴だった)。素泊まり5100円、2食付き8100円で、建物が大きくて内湯がある以外は、設備も部屋も寝具も食事も、まったく山小屋と同じ程度だった。ただ、個室は多く、グループの客は個室を利用させてもらえるようだ。私とコントン土谷は、素泊まり自炊でもあり、30人くらい収容の大広間に行かされた。明るいうちに露天風呂へ行こうと、着替えを持って山道を登った。
いよいよ本沢温泉の露天風呂だ。宿から山道を5分ほど登ると、大きな渓谷が視界に開けた。川の脇にちっちゃな湯船が見えた。え?って感じだ。本当にただの河原に湯船があるだけで、脱衣所もなければ、目隠しも、管理人も、なんにもない。もちろん男も女も関係なく、ただ湯に入りたい人が、湯船のそばで素っ裸になって、ザブンと湯に入るだけ、という豪快な露天風呂だ。
さあいよいよ風呂だと、湯船に近づくと、ラッキーなことに、若い女の子2人が、湯船から顔を出して湯に浸かっているではないか! こりゃエエと喜んでいると、女の子たちが「すぐに出るからあっちで待っててくださーい!」と言うので、紳士的なボクたちは、湯船が見えないところまで後退した(残念)。それで、タバコなんぞを吸って待っていたんだが、なかなか彼女たちが帰って来ないので、どうしたものかと見に行った(心配で見に行った・・・ウソ)。そしたら彼女たちは、ちょうど服を着ている所だったので、もっと早く見に行けばよかった・・・じゃなくて、やっと風呂に入れると安心した。 湯船は、男6人ほどでいっぱいになる広さだが、深さはかなりある。お湯は硫黄で湯加減もよく、周囲も広々とした環境なので、最高に気持ちよかった。狭い湯船でもあり、お客は次々と来るので(女性は来なかった)、しばらくして出た。あとで聞いたら、女性は普通は内湯(男女別)に入り、露天風呂に入るときは、水着を着て入るそうだ。知らないで行くと、男性陣を喜ばすことになるので、ご注意を。
夏沢峠から、北へ進むと、昨日本沢温泉へ降りた道と合流する。ここからは、ほぼ昨日来た道を戻るというルートだ。根石岳〜天狗岳〜(ここは昨日と別ルート)〜黒百合平と進み、黒百合平で、昼食をとる。そして、中山峠〜展望台〜高見石小屋〜白駒池〜麦草峠と、往路と同じ道を戻った。歩行時間は約6時間。
以上、今回は、標高2000mからのトレッキングで、全体的に標高差も少なく、コースも特にキツイところはありませんでした。初心者も十分OKだと思います。本沢温泉は、有名ではあるけれど、滞在型の普通の温泉宿とは違い、あくまで山小屋と思ってよいでしょう。自炊は我々だけだったようですが、年輩の客から「オタクたちは自炊?その方が正解だよ」と言われました。でも、あの楽天的な露天風呂は大いに気に入った次第であります。 |
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