プロフィール 旅行記・体験記 著作集 アウトドア  

上高地登山

  
平成11年、恒例の夏山登山ということで、北アルプスの穂高連峰を回ろうと、
上高地から横尾〜涸沢〜徳沢園〜上高地と行ってきました。そのレポートです。

平成11年8月25日(水)〜28日(土)

1日目:新宿→上高地、夜行直行バス

PM10:00、同行の土谷君と新宿駅で待ち合わせ、都庁駐車場へ。 ボク達が乗るのは「さわやか信州号」という、夜行の上高地直行バスだ。 朝一番で上高地から登り始めるには、このバス便はうってつけだった。料金は片道¥6000也。

PM10:30に、バスの搭乗受付が始まる。客のほとんどが登山のようだ。 上高地直行便は3台に分乗した。バスは、トイレもない座席が4列のもので、 「これでホントに眠れるかいな?」と思った。午後11時、定刻にバスは出発。 永福料金所から中央道へ入る。勝沼で高速を下りて、あとは一般道というルート だった。秀峰は午前0:00以降すっかり眠れたが、土谷君は一睡も できなかったそうだ。

2日目:上高地バスターミナル〜徳沢〜横尾〜涸沢ヒュッテ(泊)

AM6:00、上高地バスターミナルに到着する。上高地の天気は曇り、 気温は当然東京より涼しくて過ごし安い。さっそく、梓川上流方面へ歩き出す。 ここから「横尾山荘」までは、約3時間の林道歩きだ。

「横尾山荘」から、いよいよ登山道を登り始める。途中の本沢橋の所で、 昼飯をとった。お盆以降の平日のためか、登山客はあまりいなくて、 ほぼマイペースで涸沢を目指して進む。


涸沢ヒュッテに到着。ジョッキ生ビールを楽しむ。

午後2時すぎ、涸沢に到着。今日の登山予定はここまでで、涸沢ヒュッテに 泊まることにする。1泊2食¥8500也。

涸沢ヒュッテは、山小屋にしては色々と設備が整っていた。ジョッキの生ビールや 暖かいおでんとラーメンも食べられる屋外売店、夏の盛期には東大医学部の 学生が駐在する診療所、衛星公衆電話(1分100円!)、トイレも沢山 あって、半分近くが洋式だ。飲料水はタダで飲み放題。気に入った。

涸沢ヒュッテホームページ: http://www.mcci.or.jp/www/karasawa/


涸沢ヒュッテから、前穂高岳を望む。手前は有名な「テント場」

涸沢到着の時から雲行きが怪しくなり、夕方からは本格的な雨が降り出した。 夜半に目を覚ましたら、激しい風雨の音が鳴り続け、「これは明日は登りはムリだな ー」と思った。


3日目:涸沢ヒュッテ〜(下山)〜横尾山荘〜徳沢園(泊)

朝になると、他の登山客は次々と準備をして小屋を出て行く。 「この雨の中を、すごいなー」と思っていたら、実は みんな下山して行くのであった。大雨のため、下山路が崩落でもして 通行不能になったら大変だと、そういうわけだった。

ノロノロと様子を見ながら出発準備をしていたら、小屋の オネエちゃん(この人が後に秀峰の友達の友達だったと判明!)が、 「滞在用に食事ホールを開放するのでどうぞ」と言ってくれたので、 朝のNHKニュースでも見ようと、そちらへ移動。

ここで、女の子2人組と、単独の青年と親しくなり、山の情報から アルバイトの話など、会話が盛り上がり、結局、この5人で一緒に 下山しようということになった。

頂上の小屋から下山してきた人達が到着してきた。ほとんど最後に、 我々5人は涸沢ヒュッテから下山した。ところどころ、登山道が 渓流と化していた。REI製ゴアテックスのレインパンツとシェラデザインズの レインジャケットを身につけていても、汗と雨でビショビショ状態だ。

約2時間で、梓川上流部の「横尾山荘」に着く。ここからは林道歩きなので、 危険はない。この頃に雨もあがった。横尾でひと休みのあと、 下流の「徳沢園」まで行き、5人でチェックイン。


「軟式登山部」の5名!(徳沢園のロビーにて)

左から秀峰、オカちゃん、ツルちゃん、伊東君、土谷


ここから徒歩90分の「白樺荘」で働くツルちゃんとオカちゃんの2人は、 翌朝6:00から勤務だというのに、男3人につきあって「徳沢園」に泊 まることにしてくれた。

「徳沢園」は、山小屋と旅館の中間くらいの設備の山荘で、個室と相部屋が ある。我々は当然、素泊まりの相部屋だ(¥6300)。上高地の中心部から 6.5kmもあるので、宿泊客はほとんど登山客。予約もなく、その日に宿を 決めるというのも、バックパッカー気分で気持ちがよい。

男女5人と他の客との相部屋というのも、旅行と思えばトンデモナイ話だが、 山小屋に慣れた登山客にしてみればごく当然で、至って快適。さっそく風呂に入り、 ビショ濡れの衣服を乾燥室に干した。


「徳沢園」の前で、アウトドア自炊夕食会

雨もあがってだいぶ経つので、外のテーブルを使って、5人で自炊の 夕食会をした。各自の残りの食料をありったけ集め、世界各国の レトルト・カレーを主食に、会話が弾む。

その中で、秀峰が数年前に結成した「軟式登山部」を、この5人で 再結成しようという話になり、「白樺荘」で働く2人が「軟式登山部上高地支部」に 任命された。

白樺荘ホームページ: http://www.aie.ne.jp/shirakab/main.htm

5人で、おおいに話も盛り上がった。夕食を終え、ひとまず宿のロビーへ場所がえ。 ここで初めてお互いの本名や連絡先などを交換した。それまで、 お互いにメンバーの名前も素性も詳しく把握してなかったというのが笑える。


「徳沢園」の前のキャンプ場。環境はバツグン。

最終日:徳沢園〜上高地〜松本駅〜八王子へ帰宅

「徳沢園」で迎えた最終日の朝は、日差しも戻った。ツルちゃんとオカちゃんは、 秀峰と土谷が熟睡中の午前4時頃に、「白樺荘」向けて出発していた。

朝6時頃に、土谷と伊東君と3人で、上高地の中心部へ向けて歩き出す。 明神池で穂高神社奥宮を参拝したあと、河童橋へ。ここはすごい人ごみだった。


左が伊東君、右が土谷。

河童橋の目の前に、ツルちゃんとオカちゃんの働く「白樺荘」がある。 「おお、ここが彼女達の職場か」と確認。伊東君は、午後の新宿行きバスを 予約していたため、ここで別行動になった。伊東君とツルちゃんはメールが 通じるので、後の「軟式登山部」の活動などについては、メールでやりとりする ことになりそう。

土谷と秀峰は、河童橋からまっすぐ上高地バスターミナルに向かった。 すぐにバスの整理券が取れたので、新島々駅〜松本電鉄〜松本駅へ。

松本駅で昼飯を取ったあと、たまたま「立川行き普通列車」などと いうレトロな列車があったので、それに乗った。流石にイマドキ こんな列車で遠方まで行く客も少なく、車内はガラガラだった。 夕方、西八王子駅に到着。横浜へ帰る土谷とサヨナラということで、 今回の登山も無事に終了した。

悪天候のため、穂高連峰頂上を見ることなく下山した結果になったが、 そのおかげで、気の合う仲間と出会って楽しく過ごせたわけで、大満足の 上高地ツアーであった。

 

Copyright (c) 1997-2007 Shuho All Rights Reserved