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北軽井沢の別荘


平成10年秋、仕事の方が一段落したセニョール秀峰は、高原かなんかでのんびり過ごしたいと思い、旧友のドクトル森田に、森田家の北軽井沢の別荘へ行きたいなーとお願いしたところ、心よくOKしてくれたので、急遽ツアーを組みました。森田が、別荘の部屋と布団の状況から、メンバーは4人くらいがちょうどいいと言うので、秀峰は2名の女子を連行しようと、急いであちこち電話した結果、ヨーコ・イザベラとエリコ・アルハンブラがとっつかまりました。


ドクトル森田は高校1年の時の同級生で、森田家の別荘の存在は、すでにその時に聞いていた。しかし、なかなか連れていってもらう機会がなく、ついに今回、17年越しの希望が叶い、初めて森田家の別荘を訪れることになった訳だ。もちろんヨーコとエリコもこの別荘は初めてだ。

10時前後に八王子周辺に集まったメンバーを、セニョール・秀峰の腐りかけたスカイラインで拾い周り、圏央道の青梅I.C.向かう。ドクトル森田は出発当日の朝まで当直が入っていたのだが、自ら運転を引き受けた。もっとも急患が無かったので、ちゃんと朝まで寝てきたそうだ。しかし忙しいヤツだ。

関越道に入ると、予想通りの渋滞。連休で、しかも天気がいいので、予想はしていた。3車線のせいか、渋滞中でも中央道にくらべれば進行速度は速い。上里S.A.で、休憩して買い食いする。ここも大混雑で、食べ物を買うにも列に並ばなければならない。まったく、どうしてこう猫も杓子も「休日だ、行楽だ」と、行動パターンが集中するんだろうねぇ……でも、まさに自分たちがその猫や杓子なのである。

上信越道の碓氷軽井沢I.C.で高速を降りる。ここから、中軽井沢方面へ進み、R146を北上する。峰の茶屋を越えると、北軽井沢だ。紅葉にはまだ早く、道すがらもどこも紅葉していなかった。午後2時頃、北軽井沢の中心にあるスパーマーケットに着く。

スーパーは、周辺の別荘客がみんな利用するようで、規模もかなり大きい。店内は買い出し客でごったがえしている。品物も多くて八王子で買い物しているような感覚だが、微妙に物価は高いようだ。夕食はバーベキューの予定なので、いつもどおりに買い物を済ませる。そしていよいよ別荘へ向かう。

別荘は、さっぱりと区画された分譲地の一角だった。木立の中の一戸建てで、庭も広いし車も2台は置ける。とにかく静かで、環境はすごく良い。建物も、森田が出発前「古くて山小屋をイメージしておいてくれ」と何度も言っていたので、どんなオバケ屋敷かと思ったら、ぜんぜんちゃんとした感じだ。フロもキッチンも電気、ガス、一通り揃っていた。

今回のメンバーは、めずらしく全員がマメに動く几帳面な人間だったので、別荘に着くと誰ともなく仕事を分担して動き出す。ヨーコとエリコは台所の掃除と炊事に取りかかる。森田は「日が出てるうちに着けたからよかった」とフトンを干したりバルコニーの掃除をしている。秀峰は庭の落ち葉と小枝を片づけてバーベキューの用意。男衆が外の作業をひとまず終えたところへ、女衆がお茶を入れて出してくれる。うーん、いいなー、こういうの。ヨーコちゃん、エリコちゃん、いいお嫁さんになるぞ。

ちょうど日が落ちた頃、バーベキューを始めた。辺りは全く真っ暗で、他の別荘も無人だ。蛍光灯ランタンを買っておいてよかった。やや寒いが、庭に落ちていた薪が山とあるので、焚き火が絶えることはなく、暖をとりながら飲み食いおしゃべりの楽しい時間を過ごせた。ひとまず宴会を終える。庭のバーベキューの後始末は、まあ明日の朝でもいいかなーと思っていたら、誰ともなくテキパキと動きだし、あっという間にきれいに片づけてしまった。「メンバー全員が几帳面」というパワーの凄さを知った。

旅の楽しみのフロに行くことになる。車で10分ほどの所にある「ホテルグリーンプラザ軽井沢」の大浴場へ向かう。このリゾートホテルは、北欧風の巨大な建物で、大浴場は外来でも料金千円を払えば利用できる。フロは温泉ではないが、サウナと露天風呂、ジャグジーなどもある。ホテルは最近はよく女性雑誌などで紹介されてるせいか、大浴場にも女の子グループがたくさんいた。女湯は洗い場や露天風呂の湯船が順番待ちだったそうだ。男湯は空いていて、ゆったりと浸かることができた。

フロから戻ると、パジャマに(実際はスエットやトレーナー)着替えて、部屋で飲み会をする。秀峰はアルバムを持って来ていて、痩せてる時代の自分の写真を見せて自慢している。これで多少は見直してもらえたかな(そんなことはなかろう!)。だんだんと寒くなり、石油ストーブをつけた。午前2時頃に、みんな眠くなってきたようなので、お開きにした。寝るときは、男女別室にしようかとも思ったが、ストーブで暖まった部屋に、フトンを4つ並べて寝た。キャー、キ・ケ・ン!

 


別荘の庭でのブランチ
左からエリコ、ヨーコ、森田、秀峰

朝までぐっすりで、だいたい同じ時刻に起きてみたら、11時だった。女の子2人は、さっそくブランチの準備をする。昨日買ったパンと、ゆで卵、ソーセージ、ボイル野菜サラダ、コーヒーと、豪華な朝食を作ってくれた。庭のテーブルで食べた。天気もよく、木立からの日差しもきれいで、最高に気持ちよかった。しかし、お寝坊してしまったため、あまりゆっくりもしてられず、またテキパキと撤収して、別荘を引き上げた。

特に観光地もないので、浅間牧場という所に行き、おみやげを買ってソフトクリームを食べた。このソフトクリームはえらく旨かった。あとは、渋滞の予想される帰路につく。上信越道は渋滞しそうなので、草津の方の国道から前橋へ出るルートを取った。しかし、その国道も渋滞、前橋I.C.からも渋滞、予想はしていたが、相次ぐ渋滞で閉口する。関越道の花園をすぎた辺りから順調に流れて、結局八王子のファミレスで夕食を食べたのが9時頃だった。そして解散した。


今回の旅の大きなテーマは、寒くないか、ということでした。ヨーコ・イザベラとエリコ・アルハンブラの両名は、昨年の秋口に、乗鞍高原でテントに毛布一枚という劣悪状況を体験し、「秀峰の企画は、寒い」という心配がついて回っているのでした。今回は、幸い別荘もマトモでストーブも焚いていたから、寒くて寝られないということはなかったそうです。でも、一応、就寝前と目覚め直後は寒かったそうです。北軽井沢でも、この時期でシーズン・オフという事なのかも知れないのでした。

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